今後としての見通し

現在、日本には美容室・理容室に関係なく頭髪に関するサービス業を営んでいる店舗は全国でおよそ『30万店舗以上』存在していると言われている。現在進行形で開業しているところもあるだろう、筆者の地元駅付近でも美容室と理容室合わせて8店舗も展開している。しかも距離にすればお互い50mも離れていないようなところに展開しているのだから、ひしめき合いすぎるだろうと突っ込みたくなる。東京都内を始めとした全国の都市部では、こうした美容室が隣近所に何軒もあるのはさほど珍しい話ではない。その分、何処の店が一番良いのかというのを見つけるのも苦労するわけだが、それについては今はいいとしよう。

店が多ければ就職の門構えも整えらえられていると思いたいが、それもライバルとなる店舗が隣近所に無いという条件も含まれなければ、仕事として見つける分には手間を要するはず。例えば8軒の店で同時に求人をしたら、おおまかに言えば1/8で仕事が決められると思いたいが、ここで条件や技術的な経験などが伴っていないといずれも採用は敵わない。人気なのは分かるのだが、それを見越した開業を行う人があまりに乱立しているという印象が否めない。

独立開業が夢だったのだろうと応援したいところだが、利用者としての一面ではこんなに作っても利用するところは大体限られてくるものだ。こうした現状でこれからの美容師業界が成長の兆しにあるとは、とてもではないが思えない。

技術的な部分が足りていない場合も

中にはとにかく人手を増やそうとして採用を積極的に行っているところもあるかも知れない、ただそうした人たちがきちんと技術を日々の業務で培っているかというのも利用者は危惧している。もし間違えられたらやり直しがきかないため、髪を切る際には慎重に慎重を期す人が出てきてもおかしいことではなく、むしろ普通だろう。

筆者も以前、少しばかり耳を疑うような体験をしたことがある。髪を切る際、『襟足を少し切って欲しい』と注文したところ、その時は1,000円均一の店を訪れていたのだが、担当した女性美容師から言われた一言が、『襟足って何処ですか?』という一言だった。一瞬きょとんしながら何度も説明したがまるで理解されず、あまつさえ『後頭部の髪を全部切ればいいんですか?』、などとも言われてしまった。さらにはこちらの要求に女性も怒りを見せる態度を示したので作業はその場で止めてもらい、次の日に当然のような苦情の電話をしたものだ。

それから違う美容室で同じような質問をして見ると、全ての人がすぐに意味を理解してもらえた。確かに『襟足』というのは正確には、『髪の毛の根っこ部分』の事を指した表現なのだが、そこまで狭義的な意味合いを知らなかった自分が悪いのかもしれないが、果たして知っている人が専門的に学んでいる人たち以外でどれほどいるだろうか。筆者もその時は自分の表現が間違っていたのかと、苦情の電話をした際にも、担当者に思わず同様の質問を投げかけたがすぐに何処の部分を切って欲しいのかを把握してもらえた。

こんな極端な体験をしたという人はいないかもしれないが、こうした状況と出くわす人も中にはいるだろうと思う。採用の窓口を広げてとにかく人を増やしても、担当した美容師があまりに技術不足でこちらの意図を理解しない、自分勝手なスタイリングをする美容師では店としての評判を下げてしまうためそうした意味でも色々と問題点が噴出してくる。

日本のサービス業の利点を活かす

しかし日本のサービス業には世界には見られない価値を持っているため、その品質を活かして日本国内にかぎらず、世界的に店舗を広げていくというやり方が今後は求められるとも言われている。美容師もただ髪を切るだけではなく、様々な状況に即した商業展開がこれからの業界に求められると言われている。

中でも日本は日本人だけに限らず、異国文化の人々の毛質に沿ったヘアスタイリングが出来るように訓練していくとより成長できるとも言われている。ただそうなるためにもやはり肝心な技術を磨かなければ成功どころの話ではない、成長してからその次の段階を踏むとした場合にはそうした進路もあり得るという話だ。状況は厳しいものの、諦めるのはまだまだ早い。

美容師を現在進行形で目指している人は多いだろう。職業として憧れを抱いて業界の門を叩く人もいるかと思うが、現実をどれだけ知っている人がいるかだ。憧れという言葉で括られたこの業界は一見華やかな印象を持っているように見えるが、真実ほど知りたくないものはない。ここではそんな美容師という業界について考察していくサイトとなっている。

景気がいいとは決して言えない

美容師というものが実はかなり仕事してやっていく場合、体力的な面でも相応の量が求められると言わざるをえない。またこうした生活をしているといつかは疲弊してしまう人も出て来るだろう、中には精神的に患って出てくる人もいるかもしれない。そうならないためにもこれが仕事であり、無理をしないで自分にペースで仕事をしていく、といった柔軟性が求められる。それでもなると決めたらトコトンまで仕事に励んでいくといいだろう。

業務内容についてもある程度認識していなければならない点は多々ある、だがそれ以上にこの美容師という業界そのものが今後どのような動きを見せていくのかについても気にする必要がある。動向を探らなくてはならないと言っても、やはり基本的な美容面についての情報精査は欠かさず行うものだ。男性にしても女性にしても、美容師として働く人は美容というカテゴリーに属している業界の最新情報は常に仕入れていなければならない。男性の場合は同姓の情報だけでなく女性の情報も、女性も同姓にとらわれないで男性の情報も最低限仕入れていなければならない。仕事となった場合、必ずしも同姓からの指名ばかり受けるというわけではない、そうなると最低限知っておかないといけないようなものにも精通していていなければ、施術をこなせないだろう。

普段の業務に加えて美容情報についてアンテナを立てるとなると、自宅でも仕事に関して必要な知識の収集に余念を怠れないとなる。そうした努力と労力に見合った対価を獲得できればいいのだが、現状での美容師業界もまた現在の世情で見るとあまりいいとはいえない状況が継続している。